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「”イッショウケンメイ”って言葉があるだろ?
最近、本で読んだんだけど、今巷のネット界では、それを一緒懸命っ
て書くのが流行ってるんだってさ」
カウンターで、黒ビール片手に、有人は、女に話し掛けた。
「えーーー、なんか嫌だなー。ふつうは一所懸命とか、一生懸命っ
て書くモンでしょう?
なんだかそれって、ネットで希望者を募って集団自殺する人たちを連
想しちゃうわ。だって、一緒に懸命にって、一人じゃ懸命になれないっ
て言ってるみたいじゃない?」
「確かにそんな感じも受けるよね。でも逆に考えて御覧よ。」
「……?逆にって?」
「一緒に懸命になることが少ないから、そこに願望とか希望とかが
含まれているんじゃないかな。」
「それって隔家族化とか?」
「うん、それとか女性が強くなって地位が向上して、どんどん社会
進出を始めて、DINKSであったり、離婚率が高くなってしまったり。」
「ふんふん。」
「子供もある程度大きく育ったなと思ったら、今度はNEETだとか、
引きこもりとかで、全然家族の足並みが揃わない。もう一所でも、
一生でもなくなっちゃって、せめて複数で一緒に懸命になりたいって
言うさ。」
「なんだか切ないわね。」
「個人主義の功罪なんだろうね。」
「昔の女たちは、結婚して、子供生んで、家族作って、お父さん達
に働いて稼いで来てもらうのが普通だったわけよね。でも今は、
自分で稼いでやっていけたりするとその方が良かったりするのよね。」
「主婦の仕事に値段をつけた当たりからどうもおかしくなったんじゃ
ないだろうか。妻の価値ってのは見えないとこにもあったんじゃないか?」
「あら?あなたって意外と女性に理解があるのね?」
「おれはいつも女性の味方だよ?知らなかった?」
「知らなかった。じゃここの支払いは、一緒に協力して支払うってことで、
割り勘ね。」
「……この間はおごりだったからそれに比べりゃましかっ……って
思っちゃうところがオレって悲しい?
…しくしく」
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